育児中の皆さん、そして育児中の社員をサポートしている人事・総務のご担当者さん、日々お疲れさまです。
「産休・育休から復帰したけれど、オフィスに搾乳できる場所がない」 「会議室を借りて搾乳しているけれど、いつ人が入ってくるか気が気でない」
こうした声、実は少なくありません。今回は、商業施設や公共施設の授乳室とは少し違う視点から、オフィスにおける授乳室(さく乳室)の必要性と、導入する際に押さえておきたいポイントについてお伝えします。
そもそも「授乳室」と「搾乳室」は違う?
来店客向けの授乳室が「赤ちゃんを連れた親子が使う場所」であるのに対し、オフィスで求められるのは主に**「搾乳(さくにゅう)」のためのスペース**です。
育休から復帰したママ社員は、赤ちゃんを自宅や保育園に預けたまま出社しているケースがほとんど。母乳育児を続けたい場合、就業中に3〜4時間おきに搾乳し、母乳を保冷して持ち帰る必要があります。
つまりオフィスの授乳室に求められているのは、赤ちゃんのためのスペースというより、働くママの身体的なケアと、キャリアを中断させないための環境なのです。
なぜ今、企業に「さく乳室」が求められているのか
1. 女性活躍推進・両立支援は企業の評価基準に
次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」をはじめ、育児と仕事の両立支援は、採用力や企業イメージに直結するテーマになっています。求人票や口コミサイトで「授乳室・搾乳室あり」と書かれているだけで、応募のハードルが下がったという声も珍しくありません。

2. 搾乳できないことが「早期離職」につながる
搾乳する場所がなく、やむを得ずトイレの個室で搾乳しているというケースも実際にあります。衛生面はもちろん、精神的な負担も大きく、「この会社で育児と両立するのは難しい」と感じ、復職後まもなく離職を選んでしまう社員もいます。専用スペースの有無は、せっかく育成してきた人材の定着に直結する問題です。
3. 対象は女性社員だけではない
哺乳瓶でミルクを与えるために利用したい、パートナーの妊娠・出産に関する体調管理でスペースが必要、といったケースもあり、「さく乳室=女性専用」と決めつけず、誰もが使いやすい多目的なケアスペースとして設計する企業が増えています。
オフィスの授乳室・搾乳室に求められる機能
商業施設向けの授乳室と共通する部分もありますが、オフィスならではのポイントもあります。
- 鍵がかかる完全個室であること 周囲の視線を気にせず搾乳に集中できることが最優先です。パーテーションやカーテンだけの簡易的な仕切りでは、心理的なハードルが下がりません。
- コンセントがあること 電動搾乳器の使用を想定し、電源の確保は必須です。
- 搾乳した母乳を保管できる環境 小型冷蔵庫や保冷剤を用意できるスペースがあると安心です。
- 会議室と兼用にしない 会議室を一時的に使う運用にしてしまうと、急な会議で使えなくなったり、利用のたびに予約が必要になったりして、結局使われなくなってしまうケースが多く見られます。専用スペースとして固定するのが理想です。
- 省スペースで設置できること オフィスは商業施設以上にスペースに限りがあります。工事不要・省スペースで設置できる個室型のケアルームであれば、既存のフロアレイアウトを大きく変えずに導入できます。
導入企業の声から見えるもの
実際にさく乳室を導入した企業からは、「育休復帰後の社員から『安心して働き続けられる』という声をもらえた」「福利厚生の一つとして採用面接でアピールできるようになった」といった反応が多く聞かれます。
一方で、「作ったけれど場所が悪く、結局誰も使わなかった」という失敗例もあります。エントランスや通路から離れた、落ち着いて利用できる場所を選ぶことも、設備そのものと同じくらい重要なポイントです。
まとめ
オフィスの授乳室・さく乳室は、赤ちゃんのための場所というより、働き続けたいと願う社員の気持ちを支える場所です。設置スペースや予算の制約から後回しにされがちなテーマですが、鍵付きの個室型ケアルームであれば、工事不要・省スペースで導入できるため、比較的取り組みやすい両立支援策の一つと言えるでしょう。
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この記事を書いた人

- 子育て経験を活かして設置型授乳ブース「Babypeko®」の導入支援を行っているGREATEST DAY株式会社の代表取締役CEOです。ママ目線から授乳室事情や子育て、女性の働き方などについて綴っています。GREATEST DAY株式会社代表取締役CEO/授乳・キッズスペースコーディネーター
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