授乳期真っ只中でも、長時間の外出を楽しみたい。
そうお考えのお母様方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、筆者が『施設のトイレで搾乳をした話』を綴らせていただきます。
単独外出。でも懸念事項が…
正確には『授乳室が見つからず、やむを得ず施設のトイレで搾乳をした話』なのですが、それが起こったのは産後1ヶ月頃のこと。
子と自分の健診を終え、少しずつ外出を増やしていこうと思っていた時期に、学生時代の友人から声がかかりました。数年ぶりに同窓会をする予定で、遠方に住む旧友も来てくれることを聞き、迷わず参加を決めました。
幸い、夫が長女(2歳)と長男(生後1ヶ月)の面倒を見てくれるとのことで、単独外出となりました。
ありがたいことに、家のことは心配することなく出掛けることができましたが、ひとつ懸念していたのは「胸の痛み」です。
母乳育児をしているため、長時間授乳・搾乳をしないと胸が張って痛みます。それはもう、自分でも驚くほどゴッツゴツの岩のように固くなります。
普段我が家では、搾母乳を哺乳瓶であげる方法をとっています。はじめは直接授乳を試みましたが、「哺乳力が弱く、哺乳瓶のほうが飲んでくれる」「産後の身体で長時間抱きかかえて直接授乳をするのが大変」「哺乳瓶だと夫も授乳に参加できる」などの理由で、今のやり方に落ち着きました。
母乳量を維持したいため、夜間を除いて基本的には3時間ごとに搾乳をしており、心労が絶えません。搾乳と授乳を終えて、少し休んだと思いきや、またそのくり返し。自分が乳牛にでもなった気分で、朝から搾乳をしていると脳内に『牧場の朝は早い…』とテロップが流れます。
余談ですが、乳牛は1日に何回搾乳されているのか調べたところ、朝夕の2回行われることが多いそうです。回数だけでいうと人間のほうがはるかに多い…!世のお母様方、本当にお疲れ様です。
授乳室が見当たらず、トイレで搾乳
少し話が逸れましたが、そんなわけで出掛ける直前に搾乳をし、帰宅するのは9時間後。乳汁が溢れてもいいように、下着の中には母乳パッドを忍ばせ、搾乳用の空き哺乳瓶を持って外出しました。
到着した最寄り駅には授乳室がなく、会食場所の大きな施設には授乳室があることを期待して向かいましたが、残念ながらそちらにも見当たらず。
育児用のアプリを活用して、近辺で授乳室がある場所を調べたら見つかったのかもしれませんが、不慣れな土地でそこまでする気にはなりませんでした。
仕方なく施設内のトイレを覗いてみたところ、20人分ほどの個室があり、実際に使用していたのは2~3人ほど。
混んでいる場所やタイミングであれば、さすがに別の方法を検討しましたが、今回はやむを得ず…ということで、トイレの個室内で搾乳させてもらいました。
空調が十分に効いておらず暑い中、汗をかきながら15分ほど搾乳。もったいないと思いながらも、搾母乳はそのまま流して捨て、哺乳瓶は軽く洗ってジップロックの袋で保管しました。
搾乳してもなお、帰宅する頃には胸が痛みましたが、無事に旧友との会食を楽しむことができました。
まとめ
…と、事の顛末はこんなところです。
産後の母が外出するということ。今回は授乳に焦点を当てたお話でしたが、実はこんな目に見えづらい大変さがあります。
一般的には「外出中に誰が子どもの面倒をみるのか」という大変さを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、そこをクリアしたところで、母一人になっても身体のトラブルは尽きません。
街中では授乳室を見かける機会も増え、少しずつ育児しやすい環境に整えられていることを実感しています。自分の子どもが大きくなり、今回のような育児のエピソードを話す頃には、どんな世の中になっているのでしょうか。
育児真っ只中の皆様、そんな方々を支える皆様、いつも本当にお疲れ様です。