地震、台風、大雨……日本では、いつどこで災害が起きてもおかしくありません。特に乳児期のお子様がいるご家庭では、「何をどう準備すればいいか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか?特に授乳やミルクは、赤ちゃんの命に直結する大切なケアです。
この記事では、“赤ちゃんのために“本当に必要な備え”についてお伝えします。本記事との出会いを機会に、ぜひ家族で話し合っておくべきポイントや、具体的な役割分担などについてチェックしてみてくださいね。
災害時の授乳・ミルクってどうなる?
災害時には、電気・ガス・水道が止まってしまい、いつもの育児環境が一変します。哺乳瓶が洗えない、お湯が沸かせない、安心して授乳できる場所がない…そんな状況も珍しくありません。特に避難所では、ママがリラックスできず母乳が出にくくなったり、ミルクを作ろうにも水や清潔な道具が足りなかったりと、想像以上に大変な現実があります。だからこそ、日常から「もしも」を想定した準備がとても大切なのです。
母乳育児ママの防災準備
母乳はお湯も道具も不要で災害時に心強そうにも見えますが、ママ自身の体調や気持ちが大きく影響するため、以下の点に注意が必要です。
- ストレスと水分不足に要注意
- 授乳ケープが大活躍
- 母乳パッドや消耗品も忘れずに
ミルク育児ママ・パパの防災準備
ミルク育児の場合は、少し多めの備えが必要です。特にお湯と清潔な器具の確保が難しくなるため、以下の点を参考に「手間なく・安全に飲ませられる方法」を選びましょう。
- 液体ミルクを活用する
- 使い捨て哺乳瓶や紙コップも便利
- 赤ちゃん専用の水(軟水)も忘れずに

混合育児の家庭が意識したいこと
母乳とミルクを併用している場合は、どちらのパターンにも対応できるような備えが必要です。以下のポイントを抑えておきましょう。
- 液体ミルクと授乳ケープ、両方用意して柔軟に対応
- 普段から赤ちゃんが両方に慣れておくと安心
備えておきたい授乳・ミルク関連グッズ
最低限、以下のアイテムは非常持ち出し袋に入れておくと安心です。
- 液体ミルク
- 使い捨て哺乳瓶 or 紙コップ
- 授乳ケープ・母乳パッド
- 赤ちゃん用の軟水(500ml×複数本)
- おしりふき・ウェットティッシュ
- 赤ちゃんの常備薬、保険証や母子手帳のコピー
母乳やミルクに限ったことではありませんが、子どもの成長に合わせて必要なものは変化します。ミルクの量や、離乳食としての備え、オムツや着替えのサイズなど、今のお子様に合ったものがしっかり揃っているかを、定期的に確認するようにしておくと安心ですね。

家族で話し合っておこう!災害時のシミュレーション
実際の災害を想定しておくことで、咄嗟の時の冷静な判断に繋がります。ここでは、実際に起こりうる災害シーンを例に挙げて、家族がどう動くと良いか?必要な備えは何か?を考えてみましょう。
シーン:夜中に地震が起きた!
- ママ:赤ちゃんの保護、授乳やミルクの準備
- パパ:避難経路の確保、非常袋の持ち出し、車や避難所の確認
- 祖父母:上の子の対応、火の始末、周囲の安全確認
家族で決めておくと安心なこと
- 非常持ち出し袋の中身と場所(赤ちゃん用品を優先に)
- 授乳・ミルクに関する物品の管理担当
- 避難所での役割分担(ママの休息時間の確保など)
このように、家族で一度、ロールプレイをしておくと、よりリアルな想定、そして必要な役割や備えが見えてきます。ぜひ色んな場合を想定して考えてみてくださいね。
簡易的に代用できる!防災アイディア集
いざというときには、備えたアイテムが足りないこともあります。そんなときに役立つ、身近なもので代用できるアイディアを知っておくと安心です。
- 哺乳瓶の代わりに「紙コップ授乳」
赤ちゃんが月齢4か月以上であれば、紙コップでミルクを少しずつ飲ませる「カップフィーディング」という方法があります。
【やり方のポイント】
- 熱が冷めた液体ミルクを紙コップに少量注ぐ
- 赤ちゃんの唇にそっと紙コップを当てる
- 飲み込むペースに合わせて、無理なく少しずつ傾ける
- 慣れていない場合は事前に少し練習しておくと◎
- 使い捨て哺乳瓶がなくてもOK「食品用ラップ+小さな容器」
清潔な状態で保存されていた食品保存容器に食品用ラップを敷き、そこにミルクを注ぐことで、容器を直接汚さず使用できます。飲み終わったらラップごと処分すれば、洗浄不要で衛生的です。
- 授乳ケープの代用には「大判ストールやバスタオル」
避難所や公共の場では、授乳の目隠しができるだけで安心感が増します。大判のストール、バスタオル、赤ちゃん用ブランケットなどをクリップや洗濯バサミで固定するだけでも、即席の授乳ケープになります。
- 母乳パッドの代用には「ガーゼやティッシュ+ラップ」
母乳パッドが足りなくなった場合、清潔なガーゼやティッシュを何枚か重ね食品用ラップで包めば簡易パッドになります。こまめに交換して清潔を保ちましょう。
これらのアイディアは、備えが間に合わなかった時の“最終手段”ですが、実際に災害が起きた瞬間は、頭が真っ白になり、普段できることが急にできなくなったりすることが多いです。だからこそ、「アイディアの引き出し」を日頃から少しずつ増やしておくことが、いざというときの“心の安心材料”にもなります。
- 防災訓練のときに「代用品でやってみる日」を設けてみる
- 紙コップ授乳やラップ活用など、使い方を家族で共有しておく
- 日常生活でも「これは防災に使えるかも?」という視点を持ってみる
など、日頃から「代用できるもの」を意識したり、取入れたりしておくことが大切ですね。
「今」の備えが、赤ちゃんの未来を守る
災害はいつ起こるか分かりません。だからこそ、大切な赤ちゃんの命を守るためには「今」備えることが大切です。授乳・ミルクの準備を中心に、防災グッズや家族との話し合いを見直してみましょう。
参考資料
・内閣府防災「災害時の乳幼児支援」資料
【参考リンク】https://www.bousai.go.jp/ (内閣府 防災情報ページ)
- 東京都「乳幼児のいる家庭の防災ブック」
- 「東京くらし防災」「ママパパ応援防災BOOK」
この記事を書いた人

- 保育経験や育児経験、起業経験を元に、子育てやビジネスに関する記事を中心に執筆しています。また、撮影も行う取材ライターとして、飲食店オーナー様や起業家様の元へ赴き「人の実体験から生まれるストーリー」を発信するお手伝いをしています。子育て世代に向けて、体験を通して学びを深める活動にも力を入れています。
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